2025年7月号「対話」 社会に出るタイミングで就職難に見舞われた「就職氷河期世代」。 氷河期世代の不遇は様々なかたちで語られてきたが、苦境にいるのはこの世代だけなのか? また、苦境にいる人たちに社会はどのような手当てをすべきなのだろうか。 東京大学社会科学研究所教授 立命館大学産業社会学部教授 近藤絢子
1. 分析対象イベント 2025年7月下旬は全国的に記録的な高温となり、7月22日〜30日平均の日本上空および、北海道などで顕著な高温となった7月18日〜26日平均の北日本上空1500mの平均気温は、いずれも7月の同時期としては1950年以降で観測された第1位の高温となりました。 この要因として、ヨーロッパ方面から日本付近へかけて亜熱帯ジェット気流に沿った波の伝播(図1a)と、北西太平洋域(フィリピン東海上)の熱帯低気圧を含む活発な対流活動により(図1b)、日本付近で背の高い太平洋高気圧が強まった事が考えられます。特に北日本では、これらの状況が顕著となりました※1(図1補足資料)。 図1 イベント期間中の大気の状況 2025年7月22日〜30日平均の(a)850hPa(上空1500m。対流圏下層に相当)の気温(陰影)と500hPa(対流圏中層に相当)の高度(実線:高気圧、破線:低気圧)、(
というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「AI-Powered Trading, Algorithmic Collusion, and Price Efficiency」で、著者はWinston Wei Dou(ペンシルベニア大)、Itay Goldstein(同)、Yan Ji(香港科技大)。 以下はその要旨。 The integration of algorithmic trading with reinforcement learning, termed AI-powered trading, is transforming financial markets. Alongside the benefits, it raises concerns for collusion. This study first develops a model to e
砂糖や飽和脂肪酸の含有量が多いコーヒーでは、ブラックコーヒーのような死亡リスクの低減効果は期待できないことが、約4万6000人の米国人を対象とした研究(*1)で示されました。 コーヒーに砂糖やミルク、クリームなどを加えた場合、ブラックコーヒーのような死亡リスク低減効果は期待できない可能性があります。(写真:Vasin/stock.adobe.com) 砂糖やミルク、クリーム入りのコーヒーと死亡リスクの関係は? コーヒーが健康にさまざまな利益をもたらすことを示した報告が増えています。前向きコホート研究を対象とするメタ分析では、コーヒーの摂取と、死亡、2型糖尿病、心血管疾患、および特定のがんのリスクの間に逆相関が見られています。そうした作用は、コーヒーに含まれるカフェイン、クロロゲン酸、ポリフェノールなどの生理活性物質に起因する可能性が示されています。 一方で、先ごろ実施された調査では、米国の
福島大環境放射能研究所の高田兵衛(ひょうえ)教授(48)らの研究グループは6日、東京電力福島第1原発の処理水放出後に福島県沿岸で採取された魚に、放射性物質トリチウムが蓄積していないとする研究結果を発表した。これまでに国の研究機関などが示しているのと同様の結果が同大の独自調査でも得られ、高田氏は「今後の処理水放出によるトリチウムの海洋生物への移行や消費者への安心安全を評価するための重要な情報になる」としている。 研究グループは2021年から24年にかけ、第1原発から7キロの海域で、魚と、その魚の生息場所の海水を採集、それぞれに含まれるトリチウムを調べた。主に採集されたシロメバルとヒラメで、23年8月に始まった処理水放出の前後の平均値を比べた。 シロメバルの水分に含まれるトリチウムは、放出前11回の平均が1キロ当たり0.089ベクレル、放出後8回の平均が同0.081ベクレル、ヒラメは放出前7回
【ワシントン=八十島綾平】米相互関税の負担軽減措置を巡り赤沢亮正経済財政・再生相は7日、米政府が相互関税の大統領令を修正し、日本を措置対象に加えることを約束したと明らかにした。米国が徴収しすぎた分の関税は7日に遡って還付する。米政府は修正と同じ時期に、自動車関税を下げるための大統領令も出すとの見通しを示した。7日のワシントンでの記者会見で明らかにした。訪米中の赤沢氏は6日にラトニック米商務長官
福島大環境放射能研究所の高田兵衛(ひょうえ)教授(48)らの研究グループは6日、東京電力福島第1原発の処理水放出後に福島県沿岸で採取された魚に、放射性物質トリチウムが蓄積していないとする研究結果を発表した。これまでに国の研究機関などが示しているのと同様の結果が同大の独自調査でも得られ、高田氏は「今後の処理水放出によるトリチウムの海洋生物への移行や消費者への安心安全を評価するための重要な情報になる」としている。 研究グループは2021年から24年にかけ、第1原発から7キロの海域で、魚と、その魚の生息場所の海水を採集、それぞれに含まれるトリチウムを調べた。主に採集されたシロメバルとヒラメで、23年8月に始まった処理水放出の前後の平均値を比べた。 シロメバルの水分に含まれるトリチウムは、放出前11回の平均が1キロ当たり0.089ベクレル、放出後8回の平均が同0.081ベクレル、ヒラメは放出前7回
「太陽光発電で温暖化が進む」という言説が拡散しましたが、誤りです。国連は2025年の報告書で太陽光発電を極めて大きな地球温暖化抑止効果があると評価し、日本の資源エネルギー庁も温室効果ガスを排出しない重要な低炭素のエネルギー源と位置づけています。施設によって局所的にわずかな気温上昇があったとしても「温暖化とは別物」と専門家も指摘しています。 検証対象7月26日、「山に太陽光パネルがあるとどうなる?地球温暖化が進む」という投稿がXで拡散した。投稿には大量の太陽光パネルが並ぶ画像も添付されている。 7月29日午前9時時点で、表示件数は2000万件を超えたが、同日18時時点で投稿は削除されていた。 「異常な暑さを記録した地点と、太陽光発電施設の場所が一致する」など、連日の高温と太陽光発電との関連を示唆する言説は、他にも多数拡散している(例1、例2)。 太陽光発電で地球温暖化は進むのか、検証する。
幽霊の脳科学 (ハヤカワ新書) 作者:古谷 博和早川書房Amazon睡眠中に枕元に立っている幽霊やろくろっ首、金縛りなど「定番」の幽霊譚・怪異譚というのは数多い。現代科学的な観点でいえばそうした幽霊が「実在」していないのは明らかだが、かといって何人もが体験談を披露するような定番のエピソードが存在する場合、それらを脳内に生み出す「何か」は存在するのではないか。それを解き明かしていくのが、脳神経内科医の古谷博和による『幽霊の脳科学』だ。 統合失調症など明確に幻覚をみる病気がある以上、そりゃ幽霊譚の中には脳科学で説明できるものもあるだろうけど、そんな本一冊になるほど説得力のある論が展開できるもんかなあ。こじつけめいた話なるのではないか……と若干疑りながら読み始めたのだが、豊富な臨床経験からくる実例の数々に加え、幽霊譚と脳科学の結びつけはどれも説得力があるもので、こーれはおもしろい! と太鼓判をお
火災が発生したときは、目で煙や炎をみたり、鼻で焦げ臭いにおいを感じたり、耳でぱちぱちという音を感じたり・・・と五感によって気づくことがほとんどだと思います。しかし、それだけでは、就寝中や仕切られた部屋などで物事に集中している時などには、火災に気づくのが遅れてしまいます。 そこで、家庭内での火災の発生をいち早くキャッチし、知らせてくれるのが、住宅用火災警報器です。 住宅用火災警報器は、火災により発生する煙を感知し、音や音声により警報を発して火災の発生を知らせてくれる機器です。 通常は、感知部と警報部が一つの機器の内部に包含されていますので、機器本体を天井や壁に設置するだけで、機能を発揮します。 消防法令では、日本の住宅環境を踏まえて適切に機能が発揮されるよう、住宅用火災警報器の技術上の規格が定められていますので、火災の発生を感知して警報を発するための基本的な性能(煙の感知性能や警報音の大きさ
Photo by Gage Skidmore via Wikimedia Commons どの経済アプローチがうまくいくかは,出発地点しだいで大きくちがってくる この十年にアメリカで党派を超えて見解が一致していそうな分野といえば,「自由市場経済学(あるいは「ネオリベラリズム」)は失敗した」「経済システムには見直しが必要だ」という話だ.もちろん,左翼はずっと前からこう信じ続けている.近年は,ヒューレット財団の人たちなど,主流の進歩派からそっちに合流する人たちも増えている.一方,右翼はというと,トランプのおかげで関税と移民制限がかけられて,優勢な正統教義としての自由貿易は放り捨てられている.それに,共和党全体も,化石燃料産業その他の伝統的な部門に肩入れしたがっている様子だ. 念のためはっきりさせておくと,このぼくも,新しい経済システムを求める主張を続けてきた面々の一人だったりする.長らく,ぼく
厚生労働省の審議会は4日、最低賃金を過去最大となる63円引き上げる方針を決めました。すべての都道府県で時給1000円を超えることになります。 【画像】最低賃金、全都道府県で時給1000円以上に 人件費負担増で人減らしの恐れ 異例7回審議「1500円目標」石破茂総理大臣 「賃上げこそが成長戦略の要という基本的な理念。これまでの取り組みが着実に浸透し、成果を上げている」 44年ぶりに7回目の審議にもつれ込む、異例の展開となった厚生労働省の最低賃金を巡る攻防。今年度の目安について、全国平均で時給1118円まで引き上げる方針となりました。 石破総理 「2020年代に全国平均1500円という高い目標に配慮いただきながら、データに基づく真摯な議論が行われたと承知していまして、公労使の皆様方に感謝を申し上げたい」 目安通り63円引き上げられれば、最低賃金はおよそ6%の増加となります。 今年の春闘の高水準
米労働統計局長の解任騒ぎについて、サマーズが以下のようにツイートしている。 Firing the head of a key government agency because you don’t like the numbers they report, which come from surveys using long established procedures, is what happens in authoritarian countries not democratic ones. This is surely not the most serious threat to our democracy that @realDonaldTrump poses, but it is the one closest to what we economists do. I don’t
生物学を進化させた男エドワード・O・ウィルソン 作者:リチャード・ローズ草思社Amazon 本書はノンフィクションライターであるリチャード・ローズ*1の手になるEOウィルソンの伝記である.伝記への着手はウィルソンの生前からなされており,ウィルソンへのインタビューや書簡などの資料提出を受けて執筆され,ウィルソンの逝去の1ヶ月前(2021/11)に出版されたものになる.原題は「Scientist E. O. Wilson: A Life in Nature」(抑えた上品な原題に対して邦題は煽り気味であまり感心しない) ウィルソンには,社会生物学論争が一段落し,生物多様性保全活動の先頭に立っていた時代である1994年に書かれた「ナチュラリスト」という素晴らしい自伝がある.本書はこの自伝の存在をふまえて出される伝記となり,第3者の手になる客観性,およびそこで扱えなかった部分(特に自伝後のウィルソン
気候変動って人類の存続を脅かすほどヤバいの? 専門家に聞きました2025.08.02 23:30 Ellyn Lapointe - Gizmodo US [原文] ( Kenji P. Miyajima ) このまま何もしなければ、答えはイエスかな。 たとえば、明日突然、直径100kmの小惑星が衝突したとしたら。地球は過酷な環境でも生き残れる極限環境微生物を除く生き物が暮らせる場所ではなくなるでしょう。私たち人類はその衝撃で一瞬にして絶滅してしまいます。 一部の専門家は、人類が絶滅するような出来事を「人類存続に関わる脅威(existential threat)」と定義してきました。ところが、最近は定義が少し広がって、地球温暖化も含まれるようになりました。 科学者や政治家、各国の指導者たちも、気候変動を人類存続に関わる脅威と表現するようになってきました。化石燃料の燃焼によって人間が引き起こし
2025年参院選は日本の新聞社やテレビ局が初めて本格的にファクトチェックに取り組む画期的な選挙となりました。同時に、それだけ誤情報が蔓延していた選挙だったと言えます。誰のどのような発信が検証されたのか、分析しました。 ファクトチェックは2024年衆院選から5倍にファクトチェックの普及に取り組むNPO「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」が、2025年参院選に関する新聞社やテレビ局やファクトチェック団体などの検証記事を一覧にした「参院選2025ファクトチェック」で見ていきます。 参院選の期間中(7月3-20日)に183の記事がリストに載りました(2025年7月24日現在)。昨年の衆院選で日本ファクトチェックセンター(JFC)が確認できたファクトチェック記事は34(うちJFCが28)で、5倍超に急増したことになります。 これは2024年の兵庫県知事選を受けて、各社が誤情報対策に力を入れ
今年出たアメリカ政治に関する2つの著書、エズラ・クライン(Ezra Klein)とデレク・トンプソン(Derek Thompson)の『アバンダンス(Abundance)』、そしてマーク・ダンケルマン(Marc Dunkelman)の『なぜ何も進まないのか(Why Nothing Works)』について、猫も杓子も議論している。私もご多分に漏れず、書評を書いたところだ。この書評は“Commonwealth and Comparative Politics”誌に載る予定だが、すぐには公開されそうにないので、Academia.eduの私のページに載せている。書評で言及したように、この2つの著書は、その内容よりもむしろ、読者から寄せられている反応の方が興味深い。だがこうした考察はアカデミックな雑誌の書評で書くことではないので、このブログでもう少し掘り下げたいと思う。私自身はダンケルマンの本の方が
2025年上半期、第173回芥川賞の候補に『トラジェクトリー』が選ばれ、大注目されている、グレゴリー・ケズナジャットさん。 1984年生まれの著者は、英語を母語としながらも日本語で小説を執筆する作家です。2007年、クレムソン大学を卒業ののち、外国語指導助手として来日。2017年、同志社大学文学研究科国文学専攻博士後期課程修了し、現在は法政大学にて准教授を務めています。2021年、「鴨川ランナー」にて第2回京都文学賞を満場一致で受賞し、デビュー。2023年には「開墾地」で芥川賞候補に。 著者の小説の原点はどこにあるのでしょうか。それが感じ取れる初めてのエッセイ集『言葉のトランジット』が、2025年8月21日に刊行となります。 旅に出かけ、いくつかの「言葉」というレンズを通して見えてきた景色とは……。 24のエッセイから、一篇を特別に抜粋して公開します。 英語圏の国々から日本に渡ってきて、し
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