自民党の谷垣禎一前幹事長(72)が政界を引退する意向を表明し、党関係者に「谷垣ロス症候群」が広がっている。谷垣氏は昨年7月に自転車事故で大けがを負いリハビリを続けていて、これまで順調な回復と復帰への意欲が伝えられてきた。それだけに突然の引退表明は驚きをもって受け止められ、復帰を待ちわびていた側近らは喪失感にかられている。 「今回は立候補いたさず、後進に道を譲り、政界を引退させていただくことにいたしました」 谷垣氏は先月25日にコメントを発表し、次期衆院選(10月10日公示-22日投開票)に出馬しない意向を正式に表明した。今夏までは来秋の衆院解散・総選挙が有力視されていたが、安倍晋三首相(63)が北朝鮮情勢などを踏まえて早期解散を決断したため苦渋の判断を迫られたとみられる。 谷垣氏は昨夏、都内で趣味のサイクリング中に転倒し、頸髄を損傷する大けがで入院。リハビリに励むかたわら、折に触れて党会合