このところ「新羅の神々と古代日本 ― 新羅神社の語る世界」(出羽弘明)をぱらぱらと読んでいた。内容は標題どおり日本各地の新羅神社について書かれた本だ。新羅神社なんてあまり多くの人には関心ないだろうから、お勧めしたい本ということではない。このエントリも、だから、ちとたるい。 著者はこの分野の専門家ではない。話は足で稼いでいるといった趣。足で稼いだ話というのは、金達寿の、例えば「日本古代史と朝鮮」のように紀行文的な味わいもあり面白い面もある。本書は奇妙に文学的な嗜好がないのもいい。谷川健一の、例えば「日本の神々」(岩波新書)なんかだと、気分は伝わってきても、結局なに言ってんだか皆目わからん。 「新羅の神々と古代日本 ― 新羅神社の語る世界」の冒頭を読みながら、ふとこういう話を今の日本人はどう受け止めるのだろうかと気になった。 韓国では今でも三国時代の地域間の対立が残っていると言われる。『三国史