近著「崩壊するアメリカ─トランプ大統領で世界は発狂する!?」(ビジネス社)を書くにあたって、多くの日本の出版社と話をしたが、ずっと噛み合わないものを感じていた。あるベテラン編集者と、何時間も話して、その原因がやっとわかった。「日本では、オバマが〝弱い〟大統領だと思われている」。それは、米国の政治の奥の院とも言われるシンクタンクで上級研究員としてオバマを見てきた私にとって大いなる驚きであった。 何しろ、オバマは、特に建国以来一度も皆保険制度を持ったことのない国に、「オバマケア」を導入してしまった。これは、人気のあったビル・クリントンですら、政権初期に諦めている。大統領が「God Bless America(米国に神のご加護を)」という言葉で演説を締めるキリスト教色の強い米国で、同性婚を認めたことは神学論争の転換である。業績で見ると、他の大統領の追随を許さない。 日本では、政権基盤を支持率で判
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