沈聯濤(シエン・リエンタオ、香港大学アジア・グローバル研究所特別研究員)、蕭耿(シアオ・ケン、香港国際金融学会議長) 「東洋の真珠」と呼ばれる香港では社会の格差が広がり続けている MIGUEL CANDELA-SOPA IMAGES-LIGHTROCKET/GETTY IMAGES <独裁支配と民主主義の戦いの象徴として描くのは偽りの物語だ。混乱が長引く理由の1つには、社会の格差がある> 1997年に中国に返還されて以来、香港は経済的に繁栄しながら、政治的な「化膿」が悪化を続けてきた。 そして今、世界屈指の裕福なこの都市は、市民の抗議デモにのみ込まれている。道路は封鎖され、空港は麻痺し、時に暴力が振るわれる。 ただし、この混乱は中国固有のものでは決してない。社会の格差問題と向き合わない資本主義制度の将来を映す先例として捉えるべきだ。 危機の最中は感情が理性を圧倒し、ドラマチックな偽りの物語
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