「無害に見えるからといって無害だと考えてはいけない」。有害と無害の境目は、どこでしょうか? 就学前の男児が暴力的なテレビ番組を見ると、たとえそれがアニメ番組であっても成長後に攻撃的になる傾向が高まることが、新しい研究によって明らかにされた。 米医学誌「Pediatrics」11月号に掲載された今回の研究では、米ワシントン大学(シアトル)小児科学教授のDimitri Christakis博士らが、米国8,000世帯のデータを検討。2〜5歳の男児184人と女児146人を対象に、就学前のテレビを見る習慣と、これらの児童が7〜10歳になったときの行動に関する調査を行った。 攻撃的な傾向のある男児はそもそも暴力的なテレビ番組を好む可能性があるため、研究開始時の行動も考慮して分析した結果、男児が就学前に暴力的なテレビ番組を1日1時間見ると、7歳時に問題行動がみられる確率が3倍高まることが判明した。女児