約7か月前に起こした殺人事件について,妄想型統合失調症の影響により心神喪失状態であったとして不起訴とされた上,医療観察法による入院決定を受けた者が,入院3日後に指定入院医療機関の入院患者を殺害した事案について,前件当時より統合失調症の症状が改善し,自らの意思と判断で犯行に及んだ部分が残っていたなどとして,心神耗弱状態であったと認められた事例
Prologue 疲れる通学路から始まる物語 駅を出て、山を登る。それから、谷を下り、再び山を登る。これが、僕の通う高校に至る道だ。ごく控(ひか)え目に言って、かなり疲れる通学路だ。 通学の苛酷(かこく)さの穴埋めなのか、カリキュラムは緩(ゆる)い。僕たち2年I組は、水曜午後の授業がない。3年生になるとさらに授業は減り、月曜から金曜まで午後の授業がまったくなく、日によっては1限もない。なぜ、これほど緩いカリキュラムになったのか、については、おいおい語る(かもしれない)。 僕は、4月の第2水曜日の放課後、ちょっと変わった社会人、というより、半社会人、あるいは反社会人たちに「赤ひげ小人(こびと)」で出会った。それがキヨミズ准(じゅん)教授とワタベ先生だった。 「赤ひげ小人」は、県立図書館の脇(わき)にある古ぼけた喫茶店だ。マスターの倉井さんは、ロボットのように生真面目(きまじめ)で、掃除と紅茶
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く