東京の川と橋の歴史について、壺齋散人の長年の友人である知名庵ことわたくくしが、浅学ながら研究・調査のうえ、その成果をご紹介します。 関東南部、東京周辺の地図を開いてみると、千葉県との境から西に向って、江戸川、中川、荒川、隅田川と大きな川が4本南北に平行して流れています。隅田川を渡った更に西側には隅田川の支流として、石神井川や神田川が流れ、また荒川と隅田川に挟まれた、いわゆる江東デルタと称される地帯には東西南北縦横に運河のような小河川が何本も走っています。 現代に生きる私たちにとって、これらの川は昔から悠々と同じ場所を流れ続けてきたようにも思われるのですが、実は長い歴史の中で大規模な改修を加えられて川筋が変ってきたのです。また、荒川は水害対策として大正年間に新たに作られ、中川が完成したのは昭和の半ば頃(1962年)だったのです。 隅田川といえば江戸から東京へかけて、この町のシンボルであり続け