4月29日、安倍晋三首相は日本の総理大臣としては初めて、米国上下両院の合同会議でスピーチを行った。今回、コミュ力連載の番外編として、このスピーチについて、コミュニケーションストラテジストの視点から徹底的に解説をしたい。 英語で45分にも及んだスピーチだったが、一言で総評すれば、周到に計算され、準備されつくしたものだった、と言えるだろう。英語力といった点では、発音やイントネーションなど、「?」と思わせる場面も少なくはなく、会場にいる議員も手元の原稿を見ながら、何を話したのか確認する人も多かったが、日本人の英語力の平均からすれば、酷評するレベルのものではなかった。 カンペを見ていることが揶揄されたりもしたが、45分間のスピーチを覚えられる人がいるわけはないし、そもそも、カタカナで読み方が書いてあったわけでもないだけマシである。 随所に細やかな工夫 特筆すべきは、その内容とジェスチャー。歴史認識
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