常に新たな視点を持ち、従来の研究では取り扱われなかった古代史の謎に取り組み続けてきた歴史作家・関裕二が贈る、『地形で読み解く古代史』絶賛発売中。釈然としない解釈も、その地にたてば、地形が自ずと答えてくれる!? 古代史重要地点をシリーズで紹介いたします。 奈良盆地は天然の要害 奈良盆地は西側の山塊が天然の要害(ようがい)になっていた。 瀬戸内海方面から攻めかかる敵は、たいがいこの山並みに阻まれた。 神武(じんむ)東征説話で、生駒山を背に陣取る長髄彦(ながすねびこ)に、神武天皇は勝てなかった。 時代は下り、楠木正成(くすのきまさしげ)も葛城(かつらぎ)山系を背にして、鎌倉幕府の大軍を撃破している。 縄文人が西からやってくる稲作文化を奈良盆地でくい止めようとしたように、三世紀から四世紀の「ヤマト建国」も、実際には、「東の西へのレジスタンスが実を結んだのではないか」と筆者は考える。 なぜなら、これ
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