千葉大などの研究チームは2日、極小の鉄磁石に電圧をかけることで、磁石のN極とS極を制御できる特性を発見したと発表した。英科学誌ネイチャーナノテクノロジー(電子版)にも既に掲載されている。 研究チームの山田豊和・千葉大特任准教授(物理学)は「この特性を生かせば、電力をほとんど消費しないパソコンが実現できる。地球規模の省エネ効果を図ることも可能だ」と期待している。 山田准教授によると、パソコンなどの情報端末機器は、磁石のN極S極の向きで情報を記憶するため、通常は金属線を巻いたコイルに電流を流して磁場をつくり、極の向きを制御している。 今回の研究で、ナノ(10億分の1)メートルのレベルまで小さくした鉄磁石は、電圧をかけることで制御が可能になる特性が判明。電流を流さなくても、電池から発生する電圧を生かすだけで、パソコンなどを動かせるという。 実用化には、極小の鉄磁石を均一に配列する技術などの課題が