本書を読んで、まずこれはとても正直な本だと思った。未来予測本にありがちな過度な楽観論を振りまく訳でもなく、かと言って日本人特有の過度な悲観論でもない。煽らず卑下せず、必要十分なことが淡々と書かれている。 そして、本書は、とにもかくにも還暦を迎えた私などより若い人に是非読んでもらいたいと思う。と言うより、若い人は絶対に読まなければいけない必読書である。 著者の成毛氏自身、「みなさんが現在60代なら『逃げ切れる』かもしれないが、50代前半以下ならば2040年に向けて備えが必要だろう」と言っている。 多分、本書の読者は、旧日本軍の失敗の本質に迫った歴史的名著『失敗の本質』を、敗戦前に読んでいるような感じを受けるのではないか。2040年の未来から現在をバックキャスティングで見た感じとでも言えば良いだろうか。 客観的に見て、日本の未来は決して明るくない。一番確実な未来予測である人口動態から見ても、日