米ロサンゼルスで15日(日本時間16日)に発表された第58回グラミー賞で、最優秀オペラ録音部門を受賞した指揮者の小澤征爾さん(80)。米国音楽界の最高賞を8回目のノミネートで獲得したとあって関係者は歓喜に包まれているが、小澤さん自身の喜びもひとしおだ。それは受賞作「子どもと魔法」(ラベル作曲)が、子どもと自然の融和を描いたオペラだからだ。 小澤さんは子どもに限りなく優しい。小児がんなど難病にかかった子どもを支援するコンサート「生きる」に出演した2001年、小澤さんは泣きながら子どもたちの間に入って行き、照れや反抗からそっぽを向く子たちをも全員、最後には笑顔にしてしまった。