『鉄人28号[新]』や『うる星やつら』での彼の仕事はダイナミックかつパワフル。そのインパクトは凄まじいものだった。1980年代前半、若手アニメーターの過剰な仕事ぶりが「暴走」と呼ばれたが、彼こそがその暴走アニメーターの筆頭であった。作画にあまり興味のないアニメファンでも「『うる星』で個性的なアクションを描いた人」と言われれば、「ああ、あの人か」と思いあたるだろう。 系統としては金田伊功の流れをくむアニメーターの1人であり、その初期の作画スタイルは、デフォルメやタイミングを本家の金田作画よりも極端にしたものだ。より濃密な「金田アニメ」と呼ぶ事もできる。流れるようなアウトライン、たっぷりとしたボリューム、アクの強さなど、彼自身のオリジナル部分も魅力的だ。 ファンとしては、そんな1980年代の暴走アニメーター時代の仕事が印象的だが、彼自身の作風は大きく変遷している。近年の彼が描く原画は、比較的ス