本社移転、新規開店、社長就任――こういった企業間のお祝い事に欠かせないのが白い大輪の胡蝶蘭だ。東証一部上場の企業となると、本社移転で100鉢近くの胡蝶蘭が取引先から贈られることもある。そもそも、なぜ白い胡蝶蘭がスタンダードなのか? それ以外の選択肢はないのか? 胡蝶蘭専門通販サイト「日本フラワー」などを運営するフラワー総研(東京都八王子市)の阿部憲資社長に話を聞いた。 胡蝶蘭が高価な理由 胡蝶蘭がお祝いの品の定番になったのは、特に高価な存在だからだ。胡蝶蘭は種を発芽させてから出荷できる状態になるまで4年近くかかるという。まず、種を発芽させて苗をつくる工程で約1年かかる。その苗を生産者が購入し、市場に出すまでにさらに2年半近くかかる。 胡蝶蘭の主な産地は愛知県、埼玉県、栃木県などだが、大規模な生産者はハウス栽培をしている。胡蝶蘭には暖かい栽培環境が必要だからだ。人件費、ビニールハウス関連の償