確率と統計の基礎(事前確率,事後確率,尤度,ベイズの法則,...)を勉強していると,何度も何度も見たことがある説明がなんとなく理解しづらく,難しく思えることがよくあります. 例えば, 「 が与えられたとき となる確率を と書き,事後確率と呼ぶ.」 という文章はあらゆるところで見かけると思います. もちろん確率を勉強した人であれば何度も見た文章なので理解が難しいものではないのですが,それでもこの文章に「尤度」やら「事前確率」やら「カルバックライブラダイバージェンス」やらが混じり始めると,どこかで理解のほつれが出始めることがよくあると思います. 先ほどの文章の何が問題かというと, は「yの事後確率」であって「xの事後確率」ではない点です. xに事後確率が存在しないわけではなく,この場合だと はxの事後確率です. 丁寧に説明されている場合は, 「 が与えられたとき となる確率を と書き, の事後