中川昭一元財務・金融担当大臣の突然の訃報から、ひと月以上がたった。はっきりとした死因は伝えられていないが、“過労死”という文字が私の頭の中ではちらつく。もちろんこれは私の印象であり、勝手な憶測はすべきではない。 過労死は、英語でもKaroshiやKaroushi。数年前までよく耳にしたり目にしたこの言葉も、今ではすっかり鳴りを潜めるようになった。先月末、マクドナルドの名ばかり管理職の女性店長が過労死と認定されたとの報道で、久しぶりに過労死という言葉を聞いた人も多かったことだろう。 メディアで聞かなくなると、どんな出来事も過去のこととして人々の意識から消えていく。だが、登場回数が減ったからといって過労死が減っているわけではない。むしろ事態は深刻になっているのである。 まずは、ここ数日の間に報じられた二つの調査結果をご覧ください。 (その1) 労使間で月80時間を超える時間外・休日労働を認める
大阪労働局が過去に過労死認定した在阪大手企業名を開示しなかったのは不当として、過労自殺で夫を亡くした女性(60)が近く、非開示処分の取り消しを求める行政訴訟を大阪地裁に起こす。女性は「企業名を公表して社会の監視下に置くことが再発防止になる。就職先を選ぶためにも必要な情報だと訴えたい」と話している。 女性は平成8年、飲食店長だった夫=当時(49)=を過労による自殺で亡くした。過重なノルマを課せられ、直前の労働時間は月300時間以上。女性は会社を相手に訴訟を起こし、会社側の謝罪を得た。 女性は大企業でも過労死が起きている実態を明らかにして再発防止策を確実に実行させようと、「大阪過労死問題連絡会」の弁護士らとともに今年3月、大阪労働局に対し、社員1万人以上で過労死認定された事業所名などの情報公開を請求。しかし、4月に出された文書は個人情報などを理由に企業名が黒塗りにされていたという。 弁護団は「
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