2015年12月に自殺した、小樽掖済(えきさい)会病院(北海道小樽市)の臨床検査技師の男性(当時34)は、直前の1カ月間の時間外労働が188時間だった。遺族の申請を受けた小樽労働基準監督署が労災認定。遺族は今年2月、損害賠償を求めて提訴した。遺族は「責任の所在をはっきりさせたい」と言う。 訴状によると、男性は2005年に同病院に就職。15年7月ごろから、病院の新築移転に伴って導入される電子システムの構築作業などを任されて残業が常態化した。うつ病を発症し、同年12月に病院の屋上から飛び降りて自殺した。 小樽労基署の認定では、自殺直前の半年間で時間外労働が100時間を超えた月が4回あった。 遺族は今年2月、病院を運営する一般社団法人日本海員掖済会に約1億2566万円の損害賠償を求め札幌地裁小樽支部に提訴した。訴状で、原告側は「被告は過酷な長時間労働を把握していながら放置し、業務量を調整する安全