この日は4度目の挑戦だった。2月に初めて挑戦したときは、慶尚北道慶州市アハ里から栄川市に向かうバスに乗り損ねて、半日で挫折した。4月の2度目の挑戦のときは慶尚北道尚州市で、同じく4月の3度目の挑戦のときには蔚山でバスに乗り損なった。チョンさんは「地方都市の町外れではバスの運行間隔が空いているため、1本乗り遅れると、一日でソウルに着くことは不可能だ」と語る。 今回4度目となる挑戦で、チョンさんは17時間46分かけて路線バスを21回乗り継ぎ、夜11時16分ごろ、ようやく終点となるソウルの地下鉄、新ノンヒョン駅のバス停に到着した。バス代は全部で3万4860ウォン(約2641円)だった。 昼食兼夕食は忠清北道報恩郡から清原郡に向かうバスの待ち時間に済ませ、トイレに行きたくなると、バス停近くの店に駆け込んだ。チョンさんは「終点に到着したとき、わたしを歓迎してくれる人もなく、翌日には体調を崩してし