ブックマーク / business.nikkei.com (56)

  • 穴あきレンゲは塩分のとりすぎを防ぐ ラーメンで摂取量2割減少

    健康を意識している人もそうでない人も、たやすく減塩できる方法を提案する必要がある、と考えた熊県立大学の杉真依子氏らは、事に用いる道具を工夫することにより減塩が可能かどうかを検討することにしました。 選んだ道具は穴あきレンゲです。穴あきスプーンとも呼ばれ、冬の鍋料理の季節には100円ショップでも販売されることがあり、比較的容易に入手できるようです。鍋料理の具をすくうためや、麺類の細かな具材を残さずべるために用いられています。著者らは、「塩分含有量の多いラーメンを穴あきレンゲと箸を用いてべると、普通のレンゲと箸を使ってべる場合に比べ、摂取するスープの量が減り、塩分摂取量も減る」と仮定しました。 研究の対象は、急性疾患または慢性疾患を持たない健康な男子大学生で、減量のためのダイエットや減塩摂取を行っていない、非喫煙者を選びました。男子大学生は比較的、健康な生活習慣に対する関心が薄く

    穴あきレンゲは塩分のとりすぎを防ぐ ラーメンで摂取量2割減少
  • トヨタも認めた新技術ギガキャストの衝撃 JFE社長「大きな問題」

    自動車の車体部品をアルミニウム合金で一体成型する新技術「ギガキャスト」を導入する動きが日の自動車産業にも波及してきた。トヨタ自動車はこのほど、2026年に売り出す電気自動車(EV)にギガキャストを採用すると表明した。自動車の生産プロセスが大きく変わる可能性があり、サプライチェーン(供給網)に激震が走っている。 7月中旬、中国・上海で開かれたダイカスト(鋳造)技術の展示会を4年ぶりに訪れたUBEマシナリー(山口県宇部市)の岡健ダイカスト営業部長は、想像を上回る光景を目の当たりにして驚いた。超大型のアルミダイカストマシンで製造した車体部品が展示されていたからだ。 アルミダイカストは溶かしたアルミ合金を高圧で金型に射出して成型する技術だ。その能力は金型を締め付ける力(型締め力)で示され、数字が大きいほど大きな部品を成型できる。上海の展示会で目にした車体部品は1万トン級の装置で成型されていた。

    トヨタも認めた新技術ギガキャストの衝撃 JFE社長「大きな問題」
  • アスキー創業者、西和彦氏が破産 「ビル・ゲイツには言えなかった」

    アスキー創業者で米マイクロソフト元副社長の西和彦氏が破産手続きを開始したことが明らかになった。西氏は新しい大学「日先端工科大学(仮称)」の創設を目指していた。なぜ破産に至ったのか、西氏にその経緯や新大学の創設に対する影響などについて聞いた。 関連記事:「世界に通用する技術者育てる」大学を創設する西和彦氏の思い 第三者破産手続き開始を受けた経緯について、具体的に教えてください。 西和彦博士(情報学)・日先端工科大学(仮称)設置準備委員会特別顧問(以下、西氏):今から5年ぐらい前、アスペクト(東京・台東、当時は神田駿河台)という総合出版社の社長が訪ねてこられ、「経営が良くないから出資してください」と頼まれたのです。結局、約3億円をアスペクトに出資しました。 3億円を出資したという事実を、当時のアスペクトの取引銀行である三菱UFJ銀行が知って、「(アスペクトに)貸しているお金を返してくれるか

    アスキー創業者、西和彦氏が破産 「ビル・ゲイツには言えなかった」
  • 「日本のカレーで世界に挑戦ですわ」ゴーゴーカレー会長

    国内外に約100店舗を展開するゴーゴーカレーグループ。主力ブランドの「ゴーゴーカレー」は、2004年に新宿に1号店がオープンすると「金沢カレーブーム」の火付け役となった。 07年には米ニューヨークのタイムズスクエアに出店し、米国進出を果たした。M&A(合併・買収)や事業承継に力を入れ、金沢の老舗インドカレー店「ホットハウス」や、金沢カレーの元祖「ターバンカレー」など、地方のカレー屋の運営を引き継いでいる。元の店名や味を引き継ぐ形をとり、同グループの経営ノウハウによって店の継続やチェーン展開を促進。多様なブランドを持つ「カレーの専門商社」として事業を拡大している。 創業者の宮森宏和氏は創立20年を迎える今年3月、IT(情報技術)畑出身の西畑誠氏に代表取締役社長を委譲し、代表権のない取締役会長に就任することを発表した。さらに、4月6日には上場している包装資材製造企業、日製麻の代表取締役社長に

    「日本のカレーで世界に挑戦ですわ」ゴーゴーカレー会長
  • 貯金が少ない人の家は、たいてい散らかっている

    頑張って節約しているのになかなか貯まらない。それは、収入のせいではなく、日々の行動・考え方に問題があるかもしれません。家計相談で多くのご家庭を訪ねるFPの黒田尚子さんが発見したのは「貯蓄ベタな人の家は散らかっている」という法則でした。黒田さんの新刊 『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日経済新聞出版)より抜粋のうえ紹介します。 部屋が汚い人の家計簿の共通点とは 「お金を貯めたいと思っているのに、なかなか貯まらないんです」といった人は多いと思います。 そんな人は、まず自分の部屋や家の中を見回してみてください。今、急にインターホンが鳴って、お客さんが来たら、「どうぞお上がりください」と言えるくらい片付いているでしょうか? FPとして独立して20年超の間、私はさまざまなお宅を訪問して、家計相談を受けてきました。 そこで確信したのは、「お金を貯めている人は部屋が片付いている」という点で

    貯金が少ない人の家は、たいてい散らかっている
  • 東京への一極集中が再び始まった

    4月26日に、2022年3月の住民基台帳人口移動報告が発表された。東京都の転入超過数は3万3171人で、前年同月比119%、新型コロナウイルス禍が格化する直前の2020年3月と比べても82.5%の水準まで回復している。 コロナ禍になってからのこの1~2年、東京の人口が減少したというニュースに接する機会が多かった。最近でも、東京の暮らしにくさを強調し、東京から地方に脱出する流れが加速するだろう、という記事を見かける。 しかし、2022年1月から東京都の人口は転入超過、すなわちプラスに転じている。この回復傾向は今後も継続していく可能性が高い。東京一極集中が再び強まっていると筆者はみている。背景にあるのは、新型コロナに対する人々の意識の変化だ。 人々の意識は変わり始めている 筆者が所属する大東建託賃貸未来研究所が2022年3月に行った「6回目となる新型コロナウイルスによる意識変化調査」では、

    東京への一極集中が再び始まった
  • なぜ「発達障害で障害者手帳を取ることに損はない」のか?

    なぜ「発達障害で障害者手帳を取ることに損はない」のか?
  • iPhoneが高根の花に 物価上がらぬ日本、モノもヒトも「買い負け」

    米アップルのスマートフォン「iPhone」の発売日にはアップルストア前に長蛇の列ができるのが、日でも恒例だ。だが、今年9月24日のiPhone 13発売日は、新型コロナウイルス対策のため来店が予約制となったことで、行列はほとんど見られなかった。 しかし、行列が鳴りを潜めた理由はコロナ禍だけではない。調査会社のBCN(東京・千代田)が家電量販店などの販売データを基に集計した販売台数ランキングによると、10月に入り最新のiPhone 13シリーズ(最安のiPhone 13 miniで8万6800円から)の販売数減速が目立つ。 代わりに台頭するのが廉価版のiPhone SE(第2世代、4万9800円から)だ。iPhone全体に占める販売割合は約4割だという。

    iPhoneが高根の花に 物価上がらぬ日本、モノもヒトも「買い負け」
  • 東京五輪、海外メディアは不満爆発寸前 「我々は敵じゃない」

    続きを読む 「日はもっと素晴らしい国のはず」 「日はもっと素晴らしい国のはず」 筆者も5月下旬から6月にかけて赴任先のニューヨークから日に一時帰国し、14日間の自主隔離期間を過ごした(関連記事)。このときにも「海外から来た人=コロナウイルスを運んでくる人」という差別を日国内で少なからず感じた。日に一時帰国する前にワクチンも接種し、飛行機に乗る前と後に検査を受け、陰性の結果を得ているにもかかわらず、だ。科学的に見れば、ワクチン接種も検査も受けていない日在住者よりも安全性が高いと言えるのだが……。 米国ではワクチン接種の普及が急速に進む5~6月ごろまで、飲店を閉鎖したり店内飲の人数を制限したりするなど日に比べて厳しい新型コロナ対策を実施してきた。接種人口が増えて規制が緩和され始めてからは、例えば野球場では接種者と非接種者の観戦エリアを分けるなど、「接種」が一つの基準になってい

    東京五輪、海外メディアは不満爆発寸前 「我々は敵じゃない」
  • 40歳から英語力を伸ばしたアマゾン社員が薦める“神アプリ”

    多くの人が学習しているビジネス英語海外企業とやり取りをする部署や外資系企業のビジネスパーソンは、どのような学習方法で英語力を身に付けたのか。書籍、アプリ、LINEなど、今すぐ参考になる様々な学習法が見つかった。 <前回(第8回)はこちら> アマゾンジャパンで、コミュニティキャンペーンのプロジェクトリーダーとして15人のチームを引っ張る山薫氏。メンバーの中でただ1人の日人だ。当然、コミュニケーションは英語だが、実は「学生時代は再履修で4年次にようやく必修の単位を取り終えたほどだった」。 留学経験も海外出張の経験も無く、英語学習を始めたのは40歳を過ぎてから。外資系IT企業に2年間在籍したが、英語は苦手なまま。43歳で転職したアマゾンジャパンの面接でも、英語は苦手だと宣言したという。すると、レベルに応じたレッスンプログラムがあるから問題ないとの返答を得た。 入社後さっそく初級者向けコース

    40歳から英語力を伸ばしたアマゾン社員が薦める“神アプリ”
  • 一時帰国してみたら……日本のコロナ水際対策は穴だらけ

    認知症を患う母にどうしても会っておきたくて、ゴールデンウイークの休暇を利用して米ニューヨークから実家のある千葉市に一時帰国した。 帰国する飛行機の出発前72時間以内のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)検査の陰性結果に加え、ワクチン接種の証明書を携えての帰国。到着した成田国際空港での唾液による検査でも陰性と出た。それでも日への渡航者全員には到着翌日から14日間の自主隔離が求められる。 帰国者側からすると「検査をしていない日在住者に比べてむしろ安全なのでは?」と感じるのも音。だが一方で、東京五輪・パラリンピックを約2カ月後に控える日政府の意気込みも感じられ、当然ながらすべての要請に従う前提で帰国を決断した。 ところが成田到着直後から筆者に突きつけられたのは「穴だらけの水際対策」という現実だった。 帰国者への水際対策はニューヨークの空港(実際には近郊のニュージャージー州ニューア

    一時帰国してみたら……日本のコロナ水際対策は穴だらけ
  • なぜ日本企業から活力が失われたのか もう優秀な人材はいらない

    イノベーション物語や企業変革を推進する人材には、利他的な目的を掲げ、できない理由よりもできる可能性に着目し、圧倒的熱量と行動力を伝染させながら人を巻き込む力がある。著では、これらの人材を「ダイナモ」(dynamo:直接には「発電機」の意)と呼んでいる。 ダイナモは、一言で言えば「元気なヤツ」。著者が会ってきた変革リーダーやイノベーション物語の先頭に立つ人は、ほぼ例外なくダイナモ人材である。彼らの話は面白く、自然とひきつけられる。明るい未来に向かい、できると信じて疑わず、気度を基に一人称で語り、行動を伴う。聞いている側に直接関係のない話でも、ついつい「お供します!」と言いたくなるような伝染力が、ダイナモにはあるのだ。目的に突き動かされ、分析よりも主観(思い)を大切にし、証明(確かめる)よりも実験(やってみる)を好む。決められたことを決められた通りに実行することは、必ずしも得意ではなかった

    なぜ日本企業から活力が失われたのか もう優秀な人材はいらない
  • 札幌から突然世界へ レコード会社脅かす“DIYアーティスト”

    「サウンドクラウドで良いバンドを見つけたら女子高生だった、すごい」。こんなツイッター上の投稿をきっかけに、Telefonの再生数が急増した。ラウスバブの2人は北海道在住の高校2年生。レコード会社にも所属しないまま、知る人ぞ知る存在となった。 ラウスバブの結成は20年3月で、まだ1年しかたっていない。2人は同じ高校の軽音楽部に所属し、別のバンドで活動していた。新型コロナウイルスの影響でライブハウスでの演奏の機会がなくなり、学校に集まって曲を制作したり練習したりするのも難しくなった。 2人が目を付けたのがテクノ音楽。岩井さんが日のグループ「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を入り口にはまり、高橋さんも岩井さんの影響を受けた。テクノ音楽であれば、楽器がなくても曲を作れる。自宅でも、遠隔でも制作しやすい。さらに2人は、発表の場をライブハウスでなくネットに決めた。 「ゴールデンルート」に

    札幌から突然世界へ レコード会社脅かす“DIYアーティスト”
  • 持ち家VS賃貸論争、データを見れば結論は出ている

    住宅情報サイトだけでなく、様々なウェブサイトで不動産関連の鉄板記事となっているのが「持ち家か賃貸か」という議論だ。しかし多くの記事は結局、結論を出さないまま、読者に判断を任せて終わるものが多いように思う。しかし筆者が統計データを分析した結果、結論は明白だ。世の中の実態を見れば、持ち家に軍配が上がる。 今回は、なぜ賃貸よりも持ち家のほうが優れているのかを考えてみたい。 持ち家と賃貸のどちらが優れているかを考えるときに、よくいわれるのは以下のような点だ。 前提条件をどうするかによって結果が大きく異なるので、持ち家と賃貸のどちらが経済的に得かは断言できない 持ち家にも賃貸にも、それぞれメリットとデメリットがあるので、一概にどちらがよいとは言えない コストだけではなく、将来の暮らし方など、ライフスタイルによって、持ち家か賃貸かを選ぶべきである さらに、経済合理性を前面に出して、「利便性が高く資産性

    持ち家VS賃貸論争、データを見れば結論は出ている
  • 米国で東アジア系がインド人より出世できない理由

    多くのアジア系移民が米国で成功を収めてきた。統計的にもアジア系移民は他の人種グループより高い教育を受け、より豊かな傾向があるという。だが依然として、東アジア系が米国の組織のリーダーとして注目される事例は極めてまれだ。とりわけ大企業や大学では、アジア系の中ではインド出身の人物がトップに出世しているケースが目に付くが、東アジアの日中国韓国出身者は存在感がない。中国出身である米マサチューセッツ工科大学(MIT)のジャクソン・ルー助教授が慎重に分析したところ、いわゆる「差別」や「格差」とは違ったところに、大きな要因があったという。5カ国語を話すというルー助教授に、日語で聞いた。 ルーさん、今日は日語での対応をありがとうございます。中国出身ですね。 ジャクソン・ルー米マサチューセッツ工科大学(MIT)助教授(以下、ルー):はい、実は学生時代に日語を専攻し、早稲田大学に留学したことがあるの

    米国で東アジア系がインド人より出世できない理由
  • 荒れるアメリカがうらやましい理由

    アメリカが大変なことになっている。 海外のニュースサイトやTwitter経由で流れてくる動画を見る限り、ほとんど内戦が勃発しているように見える。 こういう時は、頭を冷やさないといけない。 現地で暮らしている複数の日人の証言に耳を傾けると、デモが暴徒化しているのはあくまでも一部のできごとであるようで、アメリカ全土に火が放たれているわけではない。報道メディアのカメラが、武装した警官隊と群衆との衝突のような、扇情的な映像をとらえるのは、彼らの責務でもあれば商売でもある。しかし、その映像をリビングの液晶画面越しに視聴しながら、全米がニュース映像そのままの混乱に陥っていると考えるのは、やはり早計だ。 とはいえ、トランプ大統領のTwitterを眺めていると、やはり心配になる。彼は、デモのために集まっている市民や、暴徒化しつつある一部の人々をむしろ煽りにかかっている。それどころか、この混乱に乗じて、全

    荒れるアメリカがうらやましい理由
  • 死ぬこと以外かすりキス?

    なんと、黒川弘務東京高検検事長が辞意を表明した。 2020年に入ってからというもの、毎日のようにびっくりすることばかりが続いていて、何かに驚く感受性自体が、たとえば去年の今頃に比べて、50%ほど鈍化した気がしているのだが、それでも今回のこのニュースには仰天した。 黒川氏は、5月21日発売の「週刊文春」誌がスクープしている新聞記者との賭け麻雀の事実関係を認めて、辞意を漏らしたもののようだ。 してみると、3日前(18日)に政府が検察庁法の改正案の今国会での可決成立を断念した理由も、安倍総理が説明していた「国民の皆様のご理解なくして前に進めて行くことはできない」という筋立ての話ではなかったことになる。 「ネット世論が政治を動かした」 というわたくしども野良ネット民の受け止め方も、こうなってみると、ぬか喜びというのか、勘違いだった可能性が高い。 政府が法改正を断念した理由は、あらためて考えるに、黒

    死ぬこと以外かすりキス?
  • 「本を置いたら客層が変わった」 静かに広がる“配本のない書店”

    「止まらない離れ」「街から屋が消える」……。暗い話が目立つ出版業界だが、そんな“衰退論”を覆そうとする人々がいる。顧客がに出合う場を変え、出合い方を変え、出合う意味までも根から考え直す。そこには他業界にとっても価値がある、人口減時代に生き残るマーケティングのヒントがある。 2020年1月31日~2月1日の2日間、東京・二子玉川駅直結の商業ビルに挟まれた半屋外広場「二子玉川ライズ ガレリア」が、大勢の人でごった返した。建物の間を冷たい風が吹き抜ける中にもかかわらず、来場者は昼から夜まで途絶えない。目当てにしているのは、その場に集まった40店の「屋」だ。 このイベント「二子玉川 屋博」は、二子玉川の蔦屋家電を中心とする実行委員会が、独自の選書や販売の工夫で知られる全国の書店の協力を経て初めて実現したもの。出店者はブックオフコーポレーションが展開する「青山ブックセンター」のような有名

    「本を置いたら客層が変わった」 静かに広がる“配本のない書店”
  • 新型コロナでアマゾンの「やらせレビュー」自粛、中国首謀者が告白

    新型コロナでアマゾンの「やらせレビュー」自粛、中国首謀者が告白
  • シニア労働力の幻想 現場の本音「正直、足手まとい」

    事件」は訪問介護の現場で起きた。 2019年8月、自宅で介護サービスを受けていた後期高齢者の男性が、60代の男性スタッフのA氏に故意に押し倒されるトラブルが発生した。利用者の男性にケガはなかったものの、一歩間違えば惨事になりかねない出来事。A氏が働く訪問介護サービス事業者の社長は、ただちに事実関係の調査に乗り出した。 介護の現場での虐待は社会問題となっている。厚生労働省によると、養介護施設従事者などによる虐待件数は年々増加し、2017年度は510件と前年度から約13%増加。主な原因は、典型的な人手不足の職場で働かされ、たまっていくスタッフ側のストレスであるといわれている。 ただ、A氏と面談したカウンセラーは、そうしたストレスによる虐待は、人手不足の解消を急ぐあまり“介護の現場にすぐには適応できない職員”を無理やり雇用している側にこそ責任がある、と考える。 当事者の口から出た意外な理由 問

    シニア労働力の幻想 現場の本音「正直、足手まとい」