日光を浴びずに母乳栄養での育児を続けた影響からか、乳幼児がビタミンD欠乏性くる病になる事例が報告されている。小児科医らは「子供の成長には日光は不可欠。妊娠期から適度な日光浴とバランスの良い食事を取ってほしい」と呼び掛けている。(村島有紀) ◇ ◆紫外線不足 栃木県下野市の自治医科大付属病院とちぎ子ども医療センターには一昨年8月から昨年3月にかけて、日照不足とみられるビタミンD欠乏性くる病の乳幼児3人(1歳2カ月~1歳9カ月)が来院した。1人はカルシウム不足によるけいれん、2人はO脚。3人のうち2人が1歳以降も母乳を続け、離乳食をほとんど食べていなかった。 くる病は、成長期(骨の発育期)の小児でカルシウムが骨に沈着せず、軟らかい骨の組織が増加している状態。多くの場合、骨の成長障害、骨格や軟骨部の変形を伴う。足に加重が掛かり、O脚になる幼児が多い。 カルシウ