【北京=古谷浩一、マニラ=四倉幹木】中国で麻薬密輸罪に問われて死刑判決を受け、近く刑が執行される予定になっていた3人のフィリピン人に対する執行が延期されることになった。人道的な理由から刑の執行猶予を求めるフィリピン政府の親中姿勢に対し、胡錦濤(フー・チンタオ)政権が異例の配慮を示した形だ。 両国政府などによると、執行猶予を求めるフィリピンのアキノ大統領の親書を手に、ビナイ副大統領が急きょ中国を訪問。18日夜、両政府は共同声明を発表し、中国の最高人民法院(最高裁に相当)が死刑執行の延期を決め、フィリピン側が感謝の意を示したことを明らかにした。延期の期間などは明らかにされていない。 3人は2008年にそれぞれ覚醒剤4〜6キロを密輸しようとして拘束され、09年に死刑判決。うち男性(42)と女性(32)は福建省アモイで21日、女性(38)は広東省深セン(センは土へんに川)で22日にも死刑が執行