3・11震災前と後では、日本に住む人の心の持ちようや考え方にーーたとえ自覚はなくてもーー何らかの違いがでてきているのではあるまいか?そんな気がするこの頃だが、ジャーナリスト佐々木俊尚氏の「キュレーションの時代」を、3・11前に大変興味深く読んだ。 今でも、読んだ後の衝撃は変わっていない。しかし、その「衝撃」の大部分は個人的なものである。それでも、同様の思いをもたれた方もいらっしゃるかもしれないので、書いてみようと思う。 この本を読んで、第一義的には、「キュレーション」(「無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること」-扉の中の文章からー)というアイデアが斬新で、いろいろと考えることがあった。同時に、同氏による日本社会の空気(=考え方)のつかみ方に、はっとさせられた。 おそらく、佐々木氏の本というのは、メディア関係