第18回開高健ノンフィクション賞作品『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』(集英社)の文庫版が1月20日に発売された。2018年に亡くなった「異色の登山家」とも称される栗城史多氏を描き、注目を集めた一冊だ。 栗城氏は「夢の共有」というキャッチコピーを掲げて登山の様子を動画配信するなど、型破りな活動を続けて話題を呼んだ。その活動には激しい毀誉褒貶がついて回った。 そんな栗城氏を主人公に据えた本書が文庫化されるにあたって、著者の河野氏が解説文の執筆を頼んだのが、TBS『報道特集』の特任キャスター・金平茂紀氏だった。依頼の背景には何があったのか。そして金平氏は『デス・ゾーン』をどう読んだのか。2月初旬に行われた対談の後編をお届けしたい(構成:朝山実)。 河野 いまは地方にも吉本興業など大手プロダクションが進出して、ローカルの深夜番組も東京と変わらない。これを地方局がありがたがっていてはいけな