◇読者からの批判 対応せず――作家・柳田邦男氏 今回はいろいろな事故や、不祥事を分析してきた経験から言うと、典型的な落とし穴にはまっている。システムの中心部は安定していても、辺縁(周辺)部で安全性のレベルが落ちている時に、大問題が起きる。例えば、インドの農薬工場で大公害事件が起きた時、アメリカ本社のシステムはしっかりしていたが、現地での扱いがずさんだった。辺縁部で起きたことだからといって小さなことではなく、重大な結果を招く。 ネット社会ははじめは活字文化の辺縁に入ってきた。今では大きな存在になっているにもかかわらず、英文でのネット配信を辺縁扱いしてウオッチしていなかった。国際的な影響力を考えると、十分に洗練された情報提供かどうかチェックしなければならなかった。現代は活字メディアでも性的な情報が垂れ流しで、モラルなき表現の自由の時代と言える。だが、コラムだから、受けるからというだけで載せてい