新型コロナウイルスの感染が国内で確認されてから3年がたった。岸田文雄首相は20日、「ウィズコロナ」に向け、感染症法上の位置づけを今春、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に引き下げる考えを表明した。その際、強調したのは「専門家」。これまで専門家に議論の深掘りをお願いし、専門家有志から考え方も示してもらい、5類とする方向で専門家に議論していただきたい――。首相はこう語ったが、政府と専門家の間にはたびたび摩擦が生じていた。 昨年9月16日、政府の新型コロナウイルス対策分科会が開かれた。「異変」は終了後に行われた尾身茂会長による記者説明で起きた。 開始から約30分、事務局を担う内閣官房の担当職員が突然、終了を告げた。尾身氏への質問は続いていた。それまでは、質問が尽きるまで尾身氏が答えるのが通例。1時間を超えることもあった。 「今後も30分で打ち切るのか」「説明の場を大切にしてほしい」。会場は記