オリコンデイリーランキング3位が693枚という時代。若者が盗んだバイクで走り出したり、支配から卒業していた時代は遠くに過ぎ去り、現代のメジャー音楽は「中二病」を取り込めていないのではないか。昨今のコンテンツ事情に詳しい作家・堀田純司さんの連載1回目は中二病と音楽産業について。(編集部) 先日、オリコンのデイリーランキングで、「1日の売上693枚のCDが3位に入った」という話題がネットに流れ「じゃあ数百枚買えば、自分の出した“オレCD”でもオリコンのランキングに入ることができるのか!」と、大いに注目を集めました。 かつてバンドブームの時期に青春を過ごし、ミュージシャンを夢見て東京に出てきた過去を持つ私にとっても、感慨はひとしおの話題です。もっとも、某拙著などはデイリーどころかオールタイムで数百部しか売れず、出版界でも稀有な黒歴史となっており、まったく笑っている場合ではありません。 私が末席を