シロアリの腸内にいる細菌が、空気中の窒素を吸収し、アミノ酸やビタミンなどの栄養分をシロアリに供給していることが、理化学研究所(理研)などの分析で分かった。 この細菌は、シロアリが食べた木材を分解する働きを持つ微生物の細胞内に生息しており、栄養分を補給することで、シロアリの高い木材分解能力を支えていると見られる。米科学誌サイエンスの最新号に掲載された。 シロアリの一種、イエシロアリは木材を食べて増殖し、日本や中国など各地で害虫とみなされている。研究チームは、イエシロアリの腸内に共生している単細胞微生物の内部に生息する細菌を採取した。 細菌のDNAを詳しく分析したところ、空気中の窒素を吸収し、アミノ酸やビタミンの原料となるアンモニアを合成していることが分かった。 この細菌はイエシロアリの腸内に約1億個生息し、腸内細菌全体の約7割を占める。 理研基幹研究所の大熊盛也チームリーダーは「シロアリの木