直径7ナノメートル(100万分の7ミリ)という世界最小のX線ビームをつくることに、大阪大と理化学研究所などの研究グループが成功した。このX線を顕微鏡に使えば、細胞の中をのぞくレントゲン写真の撮影が可能になる。ネイチャー・フィジックス電子版に掲載された。 大阪大大学院工学研究科の山内和人教授らは、X線ビームを集める特殊な鏡を開発するなどして、直径7ナノメートルまで絞り込むことに成功した。これまでに実現された最小のX線ビームは直径15ナノメートルで、グループは「世界最小の光のビームといえる」としている。 電子顕微鏡は1ナノメートル程度の物を見分けることが可能だが、内部を見ることはできない。X線は透過性にすぐれているため、7ナノメートルサイズのX線顕微鏡なら、細胞内の小器官も観察できる。化学物質が細胞でどう作用するかなどの解明に役立つという。山内教授は「1ナノメートルまで挑戦したい」と話して