世界中でメジャーなのは多量のハチミツを作れるセイヨウミツバチの養蜂だが、フィリピンでは、ちょっと変わったミツバチの養蜂のほうが盛んだ。東南アジアに昔から住む「ハリナシミツバチ」というハチだ。 セイヨウミツバチと同様、コロニーを作って社会生活を営むが、体はとても小さく、せいぜいアリ程度の大きさだ。そしてその名のとおり、針を持たない。フィリピンではセイヨウミツバチは500軒程度の農家が養蜂に携わる一方、ハリナシミツバチの場合は2000軒以上もの農家が携わっている。 とはいえハリナシミツバチから得られるハチミツはごく少量。セイヨウミツバチはコロニー1つに対して年間平均11キログラム程度を作るが、ハリナシミツバチの場合は2キログラム、がんばって4キログラムほど。こんなに生産量が少なくてもハリナシミツバチの養蜂が支持されるのは、フィリピンの農業を支える上で重要な役割を果たしているからだ。 養蜂を普及
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