今、世界の野球界の中心で大きな光を解き放つ大谷翔平。その光の陰には、地道に練習に励んだ期間と、それを支えた人たちがいる。 19年に岩手・花巻市内に「東北スポーツ整骨院」を開業している小菅智美氏(47)は、04年から花巻東のトレーナーを務めている。大谷の高校時代の肉体、その強さの原点を聞いた。 ◇ ◇ ◇ 小菅氏は中学時代の大谷を見た時の印象を、今でも鮮明に覚えている。練習試合でたまたまショートを守っていた少年は、ひょろっとしているのに、右へ左へ機敏に動き回っていた。「細くて筋肉がないのに、動きが早い。いい選手だな」。それが後に160キロの夢を共に追いかけることになる大谷だった。 小菅氏 私が一番最初にプロ野球選手となる選手の体を診たのは菊池雄星(現ブルージェイズ)でした。雄星は体が柔らかくてしなやかだった。一方、翔平は関節が硬い…いや正確には「緩くない」というのでしょうか。関節