憩室(けいしつ)は、大腸の腸管壁の一部が外側に袋状に突出している状態です。慢性的な便秘などによる腸管内圧の上昇が原因とされており、圧に耐えられなくなった腸管壁の壁が薄い部分が外側に膨らみます。食物繊維の少ない食事、または赤身肉を多く摂る食事習慣、運動不足、肥満、喫煙、NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)、遺伝などとの関連があるとされています。一度できた憩室は元に戻ることはなく、加齢とともに増加します。 ほとんどの場合は無症状で、大腸カメラ検査や腹部CT検査でたまたま発見されるというケースが多いです。 S状結腸に憩室が数多くできる場合は、憩室によって腸管が少し狭くなることもあります。腸管に狭いところができると、腹痛や便通異常や腹部の張り感などの症状が現れることがあります。 憩室自体は合併症がなければ、治療が必要なものではありません。 注意しなければならないのは憩室による合併症で、憩室炎と憩