数字で会社を読む 週刊ダイヤモンドで好評連載中の「数字で会社を読む」。各業界・企業を担当する第一線の記者が、ポイントを絞った財務分析で企業・産業に切り込みます。 バックナンバー一覧 2200億円を超える連結最終赤字を出し、液晶事業の再改革を宣言したシャープ。ただその後も収益は悪化の一途をたどり、事業整理がいよいよ避けられなくなった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅) 「在庫がまた急激に増えているようだ。本当に大丈夫なのか」。今年8月、経営再建中のシャープをめぐって、そうした観測が業界内で一気に広がった。ここで言う在庫とは主に、テレビやスマートフォンに使用する液晶パネルのことだ。 原因は、北京小米科技(シャオミ)をはじめとした中国スマホメーカーの失速。世界のスマホ需要の3割を占め、年間4億台を出荷する最大市場で需要が飽和し、内需依存の強かったメーカーで液晶の発注が、昨秋以降急速に縮小し