(はじめに) 病的に貯留した関節液は疾患によって性状が異なるが,結晶成分の検出は確定診断となるので特に重要である。結晶誘発性関節炎は高齢者に多く,高齢化社会を迎えた本邦では今後ますます検査の必要性が高まっていくものと思われる。今回は,結晶誘発性関節炎の中でもとくに遭遇する機会が多いピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶について,形態観察におけるポイントを報告する。 結晶誘発性関節炎とは 関節の滑膜や関節腔に,種々の結晶が析出沈着して引き起こされる炎症性の病態である。結晶成分としては,痛風における尿酸ナトリウム結晶,偽痛風のピロリン酸カルシウム結晶のほか,塩基性リン酸カルシウム結晶(ハイドロキシアパタイト),シュウ酸カルシウム結晶,ステロイド結晶などが報告されている。 急性期の関節の痛みは,関節液貯留による圧迫と好中球が結晶を融解するときに放出するライゾゾーム酵素によるもので,この時期では好中
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