9月25日から公開されている映画『ミッドナイトスワン』、草彅剛さんがトランスジェンダー女性の役を演じていることで話題を呼んでいる。 映画を観て、私は本作が「マジョリティの涙を誘うために”かわいそうなトランスジェンダー像”が利用されてしまった映画」だと感じた。評価できる点もあるが、トランスジェンダーの表象をめぐる問題を多く含んでいると感じた点について書いていきたい。 (※この記事はネタバレを多く含んでいます。ご注意ください。) 直面する困難を描く映画『ミッドナイトスワン』のあらすじは以下。 「故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。常に片隅に追いやられ てきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始め
![涙を誘う道具としての「悲劇のトランスジェンダー像」の枠を超えない。映画 #ミッドナイトスワン 感想|松岡宗嗣](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8ee3383b0e9839497e5dccf49424a99b6d66b90e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F35499781%2Frectangle_large_type_2_5fb0d5fb7dc5b5f6ea4cc9b14bda6ff6.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)