ワタクシは嫁の実家で暮らしている。世間で言うところのマスオさんという立場だ。義父はすでに鬼籍に入っているので、嫁姑と娘の4人家族である。 この家に来て半年。郷に入りては郷に従えの精神で嫁の実家のルールに従って生きてきた。家ごとに独特の生活習慣や文化があることは当たり前なので、細かいことを気にしても仕方ない。 テレビのリモコンの呼び方を”ピコピコ”と呼ぶ家もあれば”ポチポチ”と呼ぶ家もあるだろう。物事を良い悪いで判断することは、無意味であると思っている。 さて、今日も姑が一番風呂に入った。この家に来て最初に入ったことはないが、それを気にしたこともない。 だからといって姑と確執がないワケではないが、風呂は年長者に譲ることにしている。 いつものように血のつながらない老婆が浸かった湯に入り、天井を見上げると、ふと自分の祖父のことを思い出した。 祖父は戦時中、満州で兵隊をやっていた。そこで、本土から
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