分子は絶対零度にならない限りたえず運動している.この運動によって,分子は「拡散」する。例えば,2種類の気体が容器の中に存在していて,容器内の場所により濃度に差があるとき,時間がたつとその差はなくなり容器内の濃度は均一になる.これは容器内で分子が「拡散」した結果である.酸素分子の0℃における運動の速度は376.6m/sである(正碓にはこの速度の酸素分子が最も多い)。1m移動するのに要する秒数は2.66×10-3であり,短時間のうちに拡散することが予想される.現実には,他分子が多数存在するために隣接する他分子と衝突しながら「拡散」していくのである.他分子の数は1cm3中に,0℃,1気圧の場合であると2.692×1019個にもなる.気体分子に比較して液体分子の場合は,さらに隣接する他分子の数が多いので,拡散の速度は大幅lこ小さくなり,気体分子の拡散速度の1万分の1程度となる. 10.1 理論 「
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