【ソウル=箱田哲也、旅順(中国大連市)=西村大輔】26日で処刑から100年を迎えた朝鮮独立運動家、安重根(アン・ジュングン)の遺骨の発掘に向け、韓国政府は今後、日中両政府への協力要請を一層強化する方針だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領は同日、遺骨発掘に「大統領として最善を尽くす」と意欲をみせた。 韓国では今も、初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した安重根を「義士」と呼ぶのが一般的だ。安重根が刑執行まで東洋人の団結を呼びかけた「東洋平和論」にも改めて光があたっている。 ただ、国家の英雄の遺骨がどこにあるかは不明のままだ。韓国政府は2008年に調査団を派遣し、中国・大連市旅順口区の旧旅順監獄周辺で大規模な発掘調査をしたほか、北朝鮮も調査団を派遣したことがあるが見つからなかった。 旧旅順監獄には26日、韓国の国会議員や学者らが訪れ、安重根が処刑された当時の死刑台が復元されている「安重根義士就義地