2018年4月3日、米国疾病予防管理センター(CDC)から、米国内での薬剤耐性菌についての報告が出された。米国では、薬剤耐性菌による死者がすでに年間23,000人を超えている。さらに、今まであまり見られなかったタイプの耐性を示す菌も絶え間なく出現しているため、報告書では、今すぐに積極的な対策を始める重要性を訴えている。 このように多くの死者を出し、問題になっている「薬剤耐性菌」とは、いったいどのような菌なのか? 日本はどのような状況になっていて、私たちはどのように身を守っていけばよいのだろうか。 世界を脅かす、薬が効かない病原菌 細菌のなかには無害なもの、有益なものもたくさんいますが、大腸菌、溶連菌、緑膿菌、ピロリ菌、ブドウ球菌、赤痢菌など、病気の原因となるものもいます。それらの治療に使われる選択肢のひとつが、いわゆる「抗生物質」です(以降、細菌に対抗する薬剤の総称として、「抗菌薬」と表記
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