「マーケティング評論家」という肩書きの商売がある。マスコミ、特にテレビの雑談番組に出たり、著書を著したり、講演をしたり、企業内教育をしたりする。その評論家のほとんどが利用するデータが、ビッグデータである。例えば先日あるテレビ番組に出た某評論家によれば、某大学経営学部の19年春の徹底的な調査によって得られたビッグデータに従えば、男性の考える「結婚適齢」は、30代が34%、40代が25%、50代が8%、わからないが33%だった、ということである。 視聴者の多くは、なるほど晩婚が増えるわけだ、と納得する、あるいはそんなはずはない、自分の近辺には早婚者が多い、と納得しない。だが重要なことは、その後に起こる。このデータを知って、納得したものも納得しないものも、テレビを見て10分後には、このデータをすっかり忘れてしまっていること、である。マーケティング評論家の役割は、ある定説の説得あるいはその反論とい