第34期竜王戦倉敷「藤井聡太竜王誕生を祝う会」の自戦解説だけでお届けします。今夜しか書けない、自分の書ける全てでお届けします。 何度か、藤井聡太竜王の対局後の大盤解説会に参加したことがあります。静かに盤を動かされる印象を抱いていました。ですが、大盤解説会の藤井聡太竜王と――自戦解説の藤井聡太竜王は、完全に違う藤井聡太竜王でした。 藤井聡太竜王 「はい、それでは、竜王戦第四局の終盤の自戦解説をさせて頂きます」 狩山四段 「凄い場面ですね」 藤井聡太竜王 「そうですね――」 少し盤を動かされて、藤井聡太竜王が一呼吸(ひとこきゅう)されました。狩山四段にどうしましょうか――と、藤井聡太竜王が手番を渡されます。 それに対してどうしましょうか――と、相づちで返す狩山四段。藤井聡太竜王は戻ってきた手番を最後まで持ち続けられることになりました。 藤井聡太竜王 「それでは単にとった場面から解説したいと思い