霊体と男の子の魂が話し合いをしていた その時 かつて眷属神で、今は「堕天使」※1となったモノと 「はぐれた天使」※2が偶然通りかかった 「堕天使」と「はぐれた天使」は 「霊体」と「魂」に 「何をしているのか?」と尋ね いきさつを聞いた すると「はぐれた天使」は 「男の子の魂」にそっと手を当てて 何かをつぶやき 「これで、転生後に先天的な病を 心配することは無いよ」と云い 「堕天使」は「霊体」に麝香(じゃこう)の香りがする 粉末を少し渡して 「この粉末を全身かけて、匂いがしている間だけ 会いたい人の夢の中に入ることが出来る」と教えた その晩、霊体の母親が泣き疲れて ウトウトと浅い眠りについたとき どこからか、いい匂いがしてきた 母親は夢を見ていた 真っ暗闇の中で 少しだけボーッと白っぽいモノが見え それは、だんだん形を成してきて 愛した娘の輪郭に思えてきた と、「お母さん、お母さん」と 娘の