伝聞昔話「夢蜂長者」 二人の男がいた。 一人は若者で、もう一人は老人だった。 二人は馬が合いいっしょに旅をしていた。 ある晩、若者はぶんぶんという音に眠りをじゃまされた。 ぶんぶん 黄金の山に ぶんぶん 鉢が飛ぶ 鉢はそう歌いながら老人の鼻の穴に入っていった。 朝になり食事をしていると、 「昨日は変な夢を見たよ。鉢になって西にある光る蜜柑の木の下に埋まってある黄金を見ている夢だった」 老人の言葉を若者はこれは本当の夢だ。正夢だと思った。 この老人は信じていないが夢の通りにすれば金持ちになれると思った。 そして、若者は老人と別れて西へ蜜柑の木を目指して歩いて行った。 西へ西へと若者は向かった。 そして、陽の光を反射してきらきらと光る蜜柑がなっている木を見つけた。 「やった、みつけた。これで金持ちだ」 若者は喜んだ。 そして夢中で蜜柑の木の下を掘ると黄金の入った袋が出てきた。 その晩、若者は夢