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ブックマーク / tmykinoue.hatenablog.com (3)

  • 短篇小説「親切な訪問者」 - 泣きながら一気に書きました

    とある休日の昼下がり、私は自宅で時間指定の宅配便を待っていた。指定した時刻は十四時~十六時。そしてラジオの時報が十四時を知らせた瞬間、早くも部屋のインターホンが鳴った。 こんなことは珍しい。こういうのはたいがい中途半端な、最も来られては都合の悪いタイミングで来ると相場が決まっている。たとえばちょうど開始時刻から四十分ほど過ぎてトイレに行きたくなり、さらにそこから十五分ほど我慢していま行くべきかまだ待つべきか大いに迷った挙げ句、我慢の限界が来て用を足しはじめたところで鳴ったりするものだ。 排便を途中で切りあげるほど難しいことはない。小ならば残尿感、大ならば残便感さらには拭き残しを抱えたまま玄関に登場すべきか。あるいはその回は潔く諦めて、再度時間指定からやり直すという面倒な行程を取るべきか。 だがそのときの私は完全に準備ができていた。開始時刻に準備ができていないようでは、社会人として失格である

    短篇小説「親切な訪問者」 - 泣きながら一気に書きました
    masarin-m
    masarin-m 2020/05/14
    おおう、それ何? 親切なの? 不親切なの? なんなの?
  • 短篇小説「未然ちゃん」 - 泣きながら一気に書きました

    天災人災事件事故、何もかも自分が未然に防いだと言い張る彼女のことを、人は「未然ちゃん」と呼ぶ。ひょっとすると、世界は未然ちゃんのおかげでなんとかまわっているだけなのかもしれない。 三月の未然ちゃんは、とある高校の掲示板の前にいた。その日は入学試験の合格発表の日だった。未然ちゃんはまだ小学生であり、お兄さんもお姉さんもいない。 誰もが貼り出された番号の群れを見て一喜一憂していた。そんな中、手元の受験票と掲示板を七度見八度見しながら、涙を浮かべている少年がいた。誰が見ても落ちているのがわかる、痛々しい光景だった。 未然ちゃんは、少年のそばへつかつかと歩み寄り、上司のようにポンポンと少年の肩を叩いて声をかけた。 「良かったでしょ! 受かってたらあんた、間違いなく死んでたでしょ!」 少年は何を言われているのかさっぱりわからなかった。おかげで目にあふれていた涙が引っ込んだのは間違いないが、不思議と馬

    短篇小説「未然ちゃん」 - 泣きながら一気に書きました
    masarin-m
    masarin-m 2020/04/21
    未然ちゃんって、中京大の武田先生に似てる
  • 短篇小説「ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ」 - 泣きながら一気に書きました

    強く細かな雨がノイズのように降り注ぐ平日の昼下がり。差した形跡のない白い粉を吹いたビニール傘を手に、濡れそぼった姿で我がオフィスの会議室に現れた自称23歳の女は、面接官である私の目の前で、恐るべき志望動機を語ったのであった。 「《ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ》番組ってあるじゃないですか?」 聴取率30%台の番組を語るようなその自信にあふれた声のトーンに、私は「ですね」としか言えなかった。 「わたし、あの《ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ》のパーソナリティーになりたいんです。ここでなれますか?」 たしかに、当社はアナウンサーが多数所属する芸能事務所であり、私はその採用担当者である。そして私は時にスニーカーを買いに、ABCマートを訪れたこともある。その店内には、いかにも無難なFMっぽい軽薄なノリのラジオが、いやそれでいてどこの局でもやっていないであろう不可思議な番組が、もしかす

    短篇小説「ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ」 - 泣きながら一気に書きました
    masarin-m
    masarin-m 2019/07/05
    謎すぎる。一体どうしてABCマートにこだわるのだろう
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