チュニジアの政変には、驚いた。 中東に長期独裁を問題視する声は多かれど、その崩壊劇がチュニジアで起きるとは、予想していた者は多くはなかったに違いない。 報道では、フェースブックを始めとするメディアの役割に、今回の政変の意外性を見る分析が多い。だが、ネットが民衆運動に劇的な役割を果たしたのは今回が初めてではない。一昨年の六月、イランで大統領選挙の後、従来になく大規模な反政府デモが展開されたが、そこに集まった人々はツイッターやショートメールで情報交換した。2008年年末のイスラエルによるガザ攻撃の際、砲撃に晒されて家を出られないパレスチナ人がブログで伝えた「実況」は、世界を駆け巡った。 中東は、近年ネットユーザー数の急増が、世界でも顕著な地域である。いまや国民の三人に一人はネットユーザーで、その数は十年前に比べて30倍以上に増えた。特にイランやシリアなど情報統制の厳しい国での増加率は100倍以
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