与党内で一時不安視された菅義偉(すが・よしひで)首相の国会答弁に安定感が生まれつつある。8日の衆院予算委員会では、野党が新型コロナウイルス対策などを重ねて質問したが、首相が大きく崩れることはなかった。政府の感染抑止策がようやく一定の効果をあげつつあることを踏まえ、首相が「吹っ切れた」(自民党幹部)との見方も出ている。 「何としても感染拡大を阻止し、雇用を守り、事業を継続させることを最優先に取り組む」 首相は予算委で「菅総理、菅総理」と何度も連呼しながら質問を重ねた立民の山井和則氏に、落ち着いた口調でこう切り返した。 今国会は新型コロナの感染者数が急増する中での召集となり、首相は野党に緊急事態宣言を再発令したタイミングの遅れを指摘され、序盤から苦戦を強いられてきた。1月下旬には頻繁にせき込むなど体調不良も重なり、与党からも「覇気がない」などと今後の政権運営を不安視する声が上がっていた。 首相