日銀が異次元の量的緩和を実施してから、4日でちょうど1年となります。はたして量的緩和策は効果があったのでしょうか? 日銀は昨年4月の金融政策決定会合において、2%の物価目標を実現するため、大量の資金を市場に供給する量的緩和策の開始を決定しました。その結果、量的緩和が始まる直前には135兆円程度であったマネタリーベース(日銀が供給する通貨の総量)が2014年2月末の段階では200兆円を超えています。これは、少なくとも資金供給自体については、当初の予定通り実施されたことを意味しています。 問題はそれが実体経済にどの程度を与えたのかということになります。量的緩和策の主な狙いは、世の中にマネーを大量に供給することで、インフレ期待(物価が上昇すると皆が考えること)を起こすことにあります。期待インフレ率が高くなると、実質金利(名目金利から期待インフレ率を引いたもの)が低下することになりますので、企業が