<ヒト人工多能性幹細胞(iPSCs)を用いて、眼の発達途上で現れる器官「眼杯」がついた脳オルガノイドを作製することに成功した> 独ハインリッヒ・ハイネ大学らの研究チームは、ヒト人工多能性幹細胞(iPSCs)を用いて、眼の発達途上で現れる器官「眼杯」がついた脳オルガノイドを作製することに成功した。 脳オルガノイドは、左右対称の眼杯を自発的に発生させたという。一連の研究成果は、2021年8月17日、学術雑誌「セル・ステム・セル」で発表されている。 人工的に培養された、ヒトの脳を模倣する三次元の凝集体 脳オルガノイドとは、成人から採取され、幹細胞へと変換した「人工多能性幹細胞」から人工的に培養された、ヒトの脳を模倣する三次元の凝集体だ。これまで、ヒトの脳の発達や疾患にまつわる様々な研究に用いられてきた。 研究チームは、ドナー4名の細胞から作製したヒト人工多能性幹細胞から314個の脳オルガノイドを