10秒きっかりに時計ストップウォッチを止める遊びをしたことはないだろうか。練習無しのぶっつけ本番でも9秒とか10秒半とかそれなりに近いタイミングでストップさせることができる。頭の中で「1秒、2秒……」と読み上げる方法もあるだろうが、そのようなことをしなくても実は私たちには脳内で数百ミリ秒単位から数時間単位で時を刻む力がある。経過する時間を推測するこの能力は「時間知覚」もしくは「時間認知」と呼ばれ、それを可能にする脳内の無意識のカウントシステムが「インターバルタイマー」である。 例えばボクサーやアナウンサーなど所定の時間で競技や業務を行うことを続けていると、時計を見なくても経過時間を予測する能力が向上するという。以前ある番組の企画で、トークの上手いことで知られる某放送局の名物アナウンサーが、3分間の結婚式の祝辞をアドリブで話すように求められ、なんと2分59秒でまとめあげた。仕事柄、祝辞は慣れ