中東のクルディスタンと呼ばれる山岳地域で暮らしている「クルド人」。国を持たない最大の民族と呼ばれ、主に居住するトルコやイラクなどでは、少数派であるがゆえに差別、弾圧、迫害を受けてきた歴史がある。 そんなクルド人は現在、約2000人が日本で暮らしていると言われる。彼、彼女たちは日本でどのように生きているのか。 日向史有監督の長編ドキュメンタリー『東京クルド』は、故郷での迫害を逃れ、家族とともに幼少期に日本に逃れてきたトルコ系クルド人青年、オザンとラマザンの日常を丹念に描いてゆく。 一時的に拘束を解かれる「仮放免」を延長するため、1ー3カ月に1度入管へ出頭が義務づけられていること。その立場への無理解がゆえ、専門学校への入学許可が下りないこと。国がかたくなに就労を認めない中、いつ収容されるかわからない不安と背中合わせで、生きるために働いていること・・・。 映画はみずからの立場を知ることにより、彼